2009年6月30日(火)
スポーツのルールと教育
子供の運動会へ行ってきた.
イギリスやヨーロッパでは学期末,夏休み前にスポーツイベントをするのが通例のようだ.
息子は6歳.日本でいえば幼稚園の年長だが,こちらでは小学校1年生の数え.9月に日本へ戻る予定なので,息子は小学校から幼稚園に再入園する.
さて,運動会が行われる.1週間前くらいに
「運動会があります.だいたい9時半から1時間半くらいの予定です」
との案内.
「大体とは・・・」
子供を持っている人は知っていると思うが,日本の運動会の加熱ぶりと来たら・・・早朝の場所取り,ビデオ&カメラの撮影位置取り合戦は熾烈.私はかっこつけなので,ダラダラしていると妻に怒られる.
こちらは「大体・・・」朝から,または夜からゴザを敷く人もいなければ急ぐ様子もない.
運動会は始まる.別に盛大な開会式もない.
各グループに分かれていて,子供たちが各ステーションでリレーをしたり,ボール投げをしたりで,時間になるとグループはローテーションする.そう,あくまでも親が楽しむのではなく,子供が楽しむのである.
写真は,「おもちゃ箱から星を取っていくゲーム」である.
各チームが一人ずつ所定のスタート位置から,箱の方へ走り,おもちゃ箱の“中から”星を探し,スタート位置に戻り次の人にチェンジ.という競争.
4年生がルールを説明.
おもちゃ箱の“中から”星を取ってくると説明していた.
最初の方の子は,おもちゃ箱の“中から”星を取っていた.しかし,ある子が,わざとおもちゃ箱を倒し,おもちゃを出して星を探しやすくした.
進行役の4年生は,慌ててそれらをしまおうとするが,また次の子がおもちゃ箱をわざと倒す.
ラチがあかなくなり,進行役の子は写真通りおもちゃ箱の中へ入り,おちゃらけてみんなの笑いを誘う.
先生は,そのまま見ている.先生の様子を伺う子供たちもいない.先生は空気になっている.
終始和やかに競争は進んでいっている.
では,日本ではどうだろうか?おもちゃ箱を倒したら見ている先生はどうするだろうか?
「倒したらいけませんっ!」
これは私の想像だけど,こんな声が聞こえてきそうである.
「なにか先生が注意するかも」先生の顔を伺う子の顔を想像してしまう.
そう,おもちゃ箱を倒したら減点とか,おもちゃがこぼれたら必ず自分が元に戻さなければならないとは言っていないのである.
行儀が悪いと見るのか,そうきたか・・・と笑ってすますか.
これらは子供の自由な発想であって,ルールや法則性がありすぎることは,子供の教育の妨げになってしまうのではないのか・・・
整然として,なおかつ盛大な日本の運動会.
子供たちは,時間をかけて一生懸命かはわからないが事前に何回も何回も繰り返し練習をする子供たち.その背景がわかり,子供のお遊戯に感動する自分.これはこれでストーリー性があってすばらしいものである.
雑然として,あっという間に終わるイギリスの運動会.
練習はたったの1回.「おわりま〜す」との合図でとりあえずグループごとにさっさと教室へ戻っていく子供たち.
うちの息子は帰国後,日本の幼稚園の運動会を行う.
運動会は事前に練習しておかないと,ほとんど参加できない.
お遊戯,竹馬,組体操....イギリスのラフなスポーツ教育では見られない幼児期に必要な巧緻性を向上できるものが入っていることは素晴らしい.
しかし,寂しい思いをしてしまうものであるから,妻と子供は私よりも先に帰る予定.
私は9月から約20日間ルールのない?一人暮らしに突入する予定(笑).
2009年6月23日(火)
チェコの友達
先週,チェコのプラハで10年来の友達と会ってきた.
彼は97年,01年世界選手権で2大会ファイナリストになったJiri Muzikという選手だ.今年33歳で現役を続けている.
それほど背が高くなく,インターバルのリズムで走るタイプ.どちらかといえば,日本人のコンセプトに近い選手だ.
私が現役引退してしまったことや,メールアドレスを変えてしまったこともあり,しばらく連絡を取っていなかった時期もあったが,海外で流行っているFacebook(Mixiの世界版)で検索し,このイギリス滞在中に,連絡を取れるようになった.
お言葉に甘えて,4日間家に泊めてもらう.
チェコの選手といえば,何といっても10種競技が十八番.ドボルジャーク,シェブルレと世界チャンピオンを輩出し,槍投げのゼレズニーなどの投擲系種目が得意である.
こういった競技の背景には,短距離や長距離をするよりも世界へ行くには,前述の種目に挑戦した方が世界へは早道であるといった観念があるようだ.
その中では孤軍奮闘といった選手である.
しかし,2005年からは災難続き.為末がメダル獲得した世界選手権では,準決勝で8台目にた選手と接触して転倒.次の年は膝を痛め,3回の手術をした.3年目にしてやっと最近練習が出来るようになったそうだ.
契約スポンサーはほとんど離れ,10代から所属するクラブからの資金援助も得られなくなった.コーチとの意見も異なってきたことからコーチと離れ,新しいコーチのグループでトレーニングするも基本的には一人で練習することが多いということであった.
競技者が一度栄光を勝ち取った後の転落は,特に孤立感や孤独感を覚えるだろう.そして,人々は去っていく.
しかし,それはそれで自身の人間関係が淘汰が始まる.スポーツのもう一つの姿が見え隠れする.
私がプラハに到着した日,
「2週間前から跳べるようになったハードルを見てくれ.まだ軽くしか跳べないけど.」
「これが,ハードルを跳ぶ時のスペシャルエキップメント!」
と笑ってみせてくれたのが,痛めた膝に着けるインラインスケート用の膝あてだった.
ひどくぶつけると,再発の恐れがあるという.
苦肉の策に見えた.
長い間のケガからか,完全に腰が引けているし,膝が自然に使えていなかった.
かつてのリズムの良いハードリングからはほど遠い.
「引退したら何をするの?」
「考えていない.復活することを信じているから」
どこかの質の悪い記者並みの質問をしてしまったと後悔した.
そんな彼にも拾う神がいる.
石油の事業展開をする新しいチーム.クラブマネージャーは,昔陸上競技をしていたことから,最低限ではあるが,資金をサポート.チェコの車メーカーSkodaからは車の提供.
これらも来年はわからない.
2日後に,Jiriの生まれ故郷であるPlzen(ピルスナービールの発祥)にいった.
知らない人が交差点でクラクションを鳴らし,こちらに手を振った.
拾う神はやさしい.
イギリス滞在中に,もう一度プラハへ行きたいと思う.
2009年6月17日(水)
お約束ポーズ
この日もきちんどお約束のポーズをしてくれ、サービス精神たっぷり。
他の選手はシラ〜って感じですが、お構いなしなのがよいところでしょうか。
9.77を観てきました
ワールドアスレティック・ツアーのグランプリ核付けの大会が、チェコのオストラバで行われ、観戦してきました。
この日のメインはなんといってもU.ボルトの100mでした。
観客の入りは超満員。2万5000人くらいのスタンドかな(定かではない)。チェコ第3の都市だけど、日本の地方都市よりもなにもないところ。しかし、会場の熱気と運営も良い感じだった。
チェコの友達からコーチのADカードをもらい、ウォーミングアップものんびり芝生に座って観察。いつものようにかけっこスタイルのアップを繰り返していました。
レースの結果は知っての通りの9.77(追い風2.1m)。30m過ぎから一気に抜け出し後半はフワフワ浮くように。しかし、普通の選手と異なるところは、浮いてしまうとブレーキがかかるところを、一歩一歩上手に接地していきました。追い風もあってよけいにストライドが伸びていました。
写真は20m過ぎ、スタートは出遅れたといっても既に前へ出ている独壇場のレースでした。
今回は、最後まで顔も真剣で記録を狙っていた様子。
スポンジみたいな柔らかいトラックでこれだけ走れるのだから、今年も場所と機会があれば世界記録も近々見られそう。
ちなみに今回のアペアランスマネー(出場料)は$250,000なり。世界記録ボーナスの契約は$100,000だそうな。
2009年6月12日(金)
世界チャンピオンのイエナ(女子400mH)
今週から女子400mH03年、07年の世界選手権優勝者のJena Rowlinsonがトレーニングに来ています。
昨年はケガをして、オリンピックは出場できませんでした。プライベートでも落ち込んでの再スタートです。
まだ本調子ではないようですが、ベルリンはワイルドカード適応なので、それまでラフバラで徐々に調子を上げていくそうです。
今日はウォッチングだけでしたが、本調子ではなく持久系練習が出来ていないのか、動きにムラはありましたが、ダイナミックに走っていきます。接地から一気に前へ進んでいきます。
2009年6月11日(木)
スタンディングスタート可
ヨーロッパの試合は、平日でも競技会がよく行われる。
日本でいえば野球のナイター感覚という感じ。
ヨーロッパは春になると、とたんに陽が長くなる。それに加え、サマータイムに切り替わり、1時間早くなるので、感覚的には更に長くなる。
気温は20時現在13度。しかしまだ明るい。
だから、会社が終わってもその後、十分アウトドアの余暇を過ごせるのだ。それにスーパーとパブとレストラン以外はだいたい17時半にはきちんと閉まる。
みんなが仕事をしないのが常識だから、競技会も可能である。
しかし、驚いたのは大学レベルの試合でも平日にやってしまうのだ。
競技会といっても閑散としているし、記録会といった程度。
一般レベルの選手は、7月にはほとんどシーズン終了。だから毎週のように試合へ出ている。ほとんどシーズンには鍛錬期など存在せず、ずっと調整である。
今日の本題。400m走のスタート写真である。
大学レベルでも平気でスタンディングスタートをしている
またはブロックを使わない選手もちらほら。
男子の400mでも多分800mであろう(走り方が800mランナーっぽかった)選手がスタンディングスタート。
観ている人は誰も笑わない。普通なんだろう。
これなら、こそっと私も試合に出てみようかな。
なんて、思える感じだった。
各々が、自身の競技力に応じて。各々が競技を楽しむ。
2009年6月5日(金)
JOC、ロンドンオリンピックまでラフバラ大学を拠点に
JOCとラフバラ大学は今日、ロンドンオリンピックまでのトレーニング拠点として提携を結びました。
2012年ロンドンオリンピックの直前キャンプ地として使用することはもちろん、この3年間でも日本人がヨーロッパで活動しやすいようなサポートを展開する予定。
ラフバラ大学の記事
http://www.lboro.ac.uk/service/publicity/newsflash/Newsflash.html
2009年6月4日(木)
イギリスの防犯
イギリスでは家の前に車を置いている.
実は車に鍵をしていない.
私の住むラフバラは,素晴らしく治安が良い訳でもないらしい.
まあ,どちらにせよ盗まれる時は鍵をかけていても盗まれるからという気持ちもあるかもしれない.
昨日の夕方,ちょっとコワ面の男性が家をノックした.
向かいの人だった.
「バイクが昨日盗まれたから,気をつけた方がいいよ.」
この8ヶ月で初めて会話した.
盗まれた人自身が,周りの人に知らせてくれることと,周知させることによってみんなが防犯に協力するという姿勢にみられた.
そういえば日本ではマンションに住んでいるが,隣の人以外は,ドアをノック(インターホン)したことがない.
自身が知らせて,コミュニケーションを取る.こんなこと忘れていました.